※記事執筆時点での情報です。ポルシェは同じモデルでも時期によって標準装備が変わる可能性があるとのことです。
※記事執筆時点でポルシェのコンフィギュレーターがエラーで使えないため、同じグレード・色での比較ができませんでした…
※写真は全てポルシェ公式サイトからお借りしています
こんにちは、ネコタスです。
今回はカイエンとカイエンクーペの差、特にボディ形状周りについて記載していこうと思います。
カイエンとカイエンクーペはボディ形状以外に実は標準オプションもいくつか異なっています。標準オプションの違いについては別の記事でご紹介できればと思っています。
サイド
まずはクーペという名がつく通り、一番大きい違いは外観です。以下の図はカイエンとカイエンクーペを真横から比較した図です。
ちなみにクーペ(coupe)とは「切られた」という意を持つフランス語から来ており、ルーフ後端部がリアに向けてなだらかに傾斜している形状の自動車のことを言います。2ドアでないとクーペでない、というのは昔でしたが、今ではルーフ後端の形状のみで言い分けている印象があります。
そしてカイエンクーペとカイエンを見比べてもらうとわかるとおり、ルーフ後端が傾斜しています。これによりかなりスポーティーな印象を受けます。
またルーフ形状だけでなく、カイエンクーペのほうが全高が約20mm低く、全長は約10mm長くなっています。実際の全高全幅全長は以下の通りです。
単位:mm | カイエン | カイエンクーペ |
全高 | 1,695 | 1,676 |
全幅 | 1,985 | 1,983 |
全長 | 4,920 | 4,931 |
リア
あとボディ形状で大きく異なり、かつ個人的に一番好きなのがリア形状です。
左がカイエンクーペ、右がカイエンです。
…わかりますでしょうか?カイエンクーペはナンバーの位置が下になっていますね。カイエンクーペはリアハッチの形状がカイエンと異なっており、カイエンクーペのほうがよりライト以下が長方形に近く、カイエンはナンバーの分だけ切り取られてる形状になっています。カイエンクーペはマカンのリアにかなり近い形状ですね。私は個人的にこのマカンやカイエンクーペのリアハッチ形状がつるっとしていて凄い好みでした。
↑マカンのリア形状です
あと、オプションの記事でも書こうかと思っていましたが、カイエンでは選べないのでこちらで記しますが、リアでカイエンとカイエンクーペで大きな違いが実はあります。
それが、PAA(ポルシェアクティブエアロダイナミクスシステム)です。
これは写真の通り、高速走行時(確か90km/h以上、設定で手動も可)にダウンフォース向上のためにリアスポイラーが自動で135mm上昇する機能です。これはカイエンクーペのみに装備されます。見た目には賛否あるかもしれませんが、アダプティブリアスポイラーはやはり高級スポーツカーの象徴でもあると思うので、個人的にカイエンクーペに惹かれた大きな理由の1つでした。
フロント、その他
フロントは正直、あまり変化はありません。
ヘッドライトやバンパ形状での違いはおそらくないはずです。ただ実は、フロントのAピラー(フロントガラス)の傾斜が確かカイエンクーペのほうが1°傾斜が付いていたはずです。
BMWのX6が始めたとされるSUVクーペの市場ですが、ポルシェはきちんとこだわって設計してから世に出したかったという意図で、この第3世代からクーペモデルを誕生させたとのことで、カイエンとカイエンクーペは似ているようで実は細部の設計思想は異なっているとのことです。
※ちなみに空力設計を行っていた身からすれば、Aピラーの傾斜を変えることは相当大きな変化です。空力性能(CdやCl)も変わりますし、Aピラー周りの渦も変わるので風切音対策も必要となってきます。空気はもちろんフロントから流れていくので、リアすべての形状でこれらの対応もしなければなりません。
さすがですポルシェさん…
あとは、写真を見るにルーフに若干違いがありますね。カイエンはルーフレールが付いているのに対し、カイエンクーペは付いていません。これからもカイエンクーペはスポーティさを優先させた設計になっていることがわかります。
まとめ
今回はカイエンとカイエンクーペの違い、主にボディ形状について見てきました。
最後に違いをまとめて終ろうと思います。
ポイント
- クーペの名の通り、ルーフ形状が大きくことなりカイエンクーペはリアに向けてなだらかに傾斜している
- カイエンクーペのほうが全高は20mm低く、全長は10mm長い
- リアハッチの形状が異なる。カイエンクーペにはPAAが標準で付いている
- フロントは大きな違いはないが、カイエンクーペの方がAピラーが1°傾斜している
- カイエンにはルーフレールが付いており、カイエンクーペには付いていない
全体的にカイエンクーペの方がスポーティな設計になっているということですね。