こんにちはネコタスです。
今回は湯河原にある老舗高級旅館の海石榴(つばき)に宿泊してきましたので、実際の様子をレビューしたいと思います。
おそらく海石榴はそこまで有名ではない?と感じていますが、実際はかなり素晴らしいお宿で「知る人ぞ知る」的な通な宿かと思います。以下で順にご紹介していきます。
Contents
海石榴の概要
海石榴は1978年に京風懐石料理を提供する「泊まれる料亭」として営業開始されました。その後増改築、リニューアルを実施しつつ、2012年には北海道を中心に事業展開する大手旅行会社の野口観光グループの傘下に入りました。
野口観光グループ参画後も特徴は変わらず、こだわりの食事やおもてなしにはかなり力をいれています。
海石榴という名はその読みの通り、花の「椿」を由来としています。
派手ではないけれど可憐な振る舞いで日本人の心を虜にしてきた椿のような存在
でありたい、という意味が込められているそうです。
ちなみにすぐ近くにある山翠楼や、
きたの風茶寮も同じ野口観光グループの宿となっています。

海石榴の歴史
今回も妻と子供(1歳2ヶ月)の3人での宿泊だったわけですが、海石榴を選んだ理由とも言える特徴が以下でした。
- 部屋食
- 和室(子供を寝かせる部屋とメインの部屋が分かれている)
- 露天風呂付き客室
- 14時チェックインかつ12時チェックアウト
特に最後のチェックイン・チェックアウトの時間に関しては旅館ではかなり珍しいかと思います。これだけでもう素敵な宿なんですが、いつものようにチェックインから順番にご紹介していきます。
ちなみに余談ですが、今回の宿泊は私の30歳記念の誕生日旅行でした。
エントランス・チェックイン
海石榴は湯河原にある旅館です。湯河原は東京からかなりアクセスがしやすい場所です。
車では渋滞がなければ2時間かからず到着してしまいます(熱海よりも若干近い)し、電車でも湯河原駅からタクシーで7分程度でアクセスできます。
箱根と違って冬場でも比較的雪が降りにくい地域なので、冬の温泉を楽しみたいときには良い選択肢となるかと思います。
実は今回海石榴、湯河原を選択した理由の1つが、雪が降りにくい地域だということです。海石榴を予約したのが1月頭、宿泊したのが2/10-2/11です。1月頭は東京でも積雪が記録された時期でして、この教訓からなるべく雪が降りにくい地域を選択したのです。
そしてなんと、2/10は関東全域で雪予報…
結果として東京では積雪になりませんでしたが、箱根はなかなかの積雪を記録。箱根にしなくてよかったと胸を撫で下ろしました笑
そんなこんなで前置きが長くなりましたが、車で海石榴に無事到着。

海石榴とカイエンクーペ。エントランスでの一枚
車でエントランスに入ると宿の方がすぐにお迎えに来てくれるのは高級旅館ならでは。荷物の出し入れを手伝ってくれますが、海石榴ではバレーサービスはありません。
すぐ近くに駐車場があるので全く不便はないのですが、到着してすぐのバレーサービスの有無は宿に対する印象を意外に左右するものだなと感じました(とまあ書いてますが不満があるわけでは全然ありません笑)。
中にはいると、老舗のザ・旅館な空間が広がります。玄関を上がったら靴はずっと脱いで過ごせます。床がふかふかで気持ち良いですし、子供にとっては靴不要なのはかなり嬉しいです(部屋の出入りの際にも靴を履かせる必要がないのは楽!)

海石榴のロビー
写真のロビーでチェックインなどを済ませます。待っているとおしぼりと一緒にお茶も出してもらえました。

お茶菓子は海石榴の花です
ロビー空間も伝統的な趣はありつつ非常に綺麗な状態で保たれています。最新のおしゃれなホテルも良いですが、やはり旅館は日本人の心に刺さります。

こういったデザインや材質の椅子も素敵ですね

こういったガラスも1枚なのがこだわりを感じます

海石榴の花も飾ってあります
少ししたらお部屋の準備ができたとのことで、部屋まで案内していただきます。
冒頭にも書いた通りですが、海石榴はチェックインが14時からできますので、ぜひ14時前に到着してゆったり過ごすことをおすすめします。
お部屋の様子
海石榴は色々な部屋のタイプがありますが、今回は「和室2間露天風呂付50平 スタンダード 12+4.5畳禁煙」のお部屋を予約しました。
今回のお部屋は326号室「空蝉」というお部屋です。

空蝉というお部屋です。お部屋名は全てつばきの花の名前だそう。
和室タイプなので部屋には靴を脱いで上がります。襖を開けるとメインのスペースが広がります。

メインスペース。ここで食事もいただきます
奥に写っているのがテラス兼露天風呂スペースです。

海石榴の露天風呂
これまで色々な露天風呂付き客室に宿泊してきましたが、この露天風呂の空間はなかなか素晴らしいと感じました。
テラスの奥は池になっていて、鯉なども泳いでいます。これがまた風情があって、ものすごくゆったりとできる雰囲気が漂っています。ここで温泉上がりにビールを飲みながらゆったりとした時間を過ごすのはこれ以上のない贅沢な時間に間違いありません。
やはり冬の露天風呂は最高ですね…
そして室内に戻ります。部屋は先ほどのメインの部屋に加えて6畳程度の別室もあります。やはり部屋が複数あったり広いと子供もそうですが、カップルでも荷物を自由に広げたりできて楽で良いですよね。
ちなみに全て和室なので子連れには安心です(私たちは1歳の子供がいるのであえて和室がある部屋や旅館を選んでいるのですが)

別室も用意されており、子供を別で寝かせることもできます
テレビ周りは少し古さを感じさせますが…まあ最近はあまりテレビも見ないので個人的には気になりません。

テレビ自体も結構古めですが、老舗旅館はどこも同じような感じですね
さあそして恒例の水回りチェックに移りたいと思います。
まず一番のチェックポイント、ドライヤーですが…

なんと、最高級ドライヤーのレプロナイザーです
これは素晴らしいドライヤーです。リッツカールトンやグランドハイアットクラスの世界的ブランドが導入しているドライヤーなので、ホテルの家電としてはトップクラスのレベルです。
老舗旅館だとどうしても家電周りは古いことが多いのですが(先ほどのテレビのように)、このような滞在クオリティに影響を与える家電にしっかり投資しているのは一流旅館の証拠だと思います。
その他アメニティや洗面回りの全体感は以下のような感じです。

アメニティはブランドの持ち帰れるタイプではなく据え置きタイプです

全体感。タオルに海石榴の模様が刺繍されていたりと細部へのこだわりを感じます
その他ですが、写真を撮り忘れましたが、冷蔵庫の中にサービスとしてお水とお茶、ビールが2本ずつ入ってました。
またご当地のお茶菓子が部屋に用意されているのと、チェックイン後少しするとお茶を持ってきていただけます。

お部屋に用意されていたお茶菓子。しっかりボリュームがあります
総括すると、部屋自体はまあ普通の旅館という感じですが、露天風呂が付いているテラス空間は非常に素敵で好感が持てました。
歴史がある旅館なので古さは若干目立ちますが、まあそこは予約時から想定内なので特にがっかりという感じもなく、きちんと清掃はされて綺麗には維持されているのでとてもよく頑張っているなという印象でした。
食事
すでに記載した通り、海石榴では夕食朝食ともにお部屋でいただけます。部屋食の宿は今ではかなり数が少ないのでこれだけでも貴重ですね。夕食朝食順にご紹介していきます。
夕食
海石榴は元々京風懐石料理という冠をつけて創業が始まったのもあり、食事には力をいれているため期待ができそうです。
メニューは懐石料理となっていて、追加オプションでステーキや鮑が追加できるような仕組みです。
今回は特に追加をせずにいただきました。順にご紹介していきたいと思います。
まずは先付と前菜をいただきます。前菜は1つ1つがしっかりとボリュームもありこれだけでお酒がかなり進みます。

左が先付の金目鯛奉春巻です

前菜
ちなみにお酒ですが、食事に合わせて合うお酒を持ってきていただけるマリアージュのメニューがあり、今回はそちらをいただきました。
※酒飲みの人にはあるあるかもしれませんが、この手のマリアージュは量が少し物足りないので、だいたいビールをチェイサーとしていつも用意しています笑

マリアージュのリスト。食事に合わせて持ってきていただけます
以下写真で一気に紹介してきます。

椀物

誕生日で伺ったためサービスで赤飯をいただきました

お刺身

お品書きにない料理長サービスの一品。里芋の何かでした笑

お肉

海石榴名物のスッポン鍋

ご飯とお味噌汁。お味噌汁の蓋にも椿が印刷されています

デザート
結構ボリュームもあり素晴らしいのですが、京風やスッポンなど伝統的な要素もしっかり取り入れられていて、とてもこだわりを感じました。
またもちろん味も非常に美味しく食事に関してはかなりレベルが高い印象を受けました。
朝食
2食付きの宿泊っていつも、夕食終了時には絶対、

って思うのに、朝にはお腹空くのはなんなんでしょう、温泉の効果でしょうか笑
というわけで朝食のご紹介です。まず全体感がこちら。

朝食全体。朝食にお刺身がついている宿は絶対いい宿です笑
ほんと朝食からこの量は素晴らしいですね。特に海石榴は夕食に引き続き朝食も非常に力をいれていることがわかります。※写真には映っていませんが、もちろんご飯とお味噌汁もあります。
そして上記に加えてデザートまでしっかり用意されています。

朝食のデザート。クリームチーズのヨーグルトでめちゃくちゃ美味しいです
写真ではあまり映らなかったかもしれませんが、食器の所々に椿の花や「海石榴」のロゴが印刷されていたりしていて、細かな点までこだわりを感じます。こういう細部へのこだわりは海石榴はトップクラスだと思いますし、実際に体験してみると素敵で良い宿に泊まっているんだなあと実感します。
その他設備やサービス
ラウンジ
海石榴にはラウンジがあり、ラウンジでは15-18時の時間でアルコールも含めてフリードリンクが楽しめます!

日本酒や焼酎も用意されています

もちろんビールも

飲み物だけでなくハーゲンダッツも食べ放題です
ラウンジは大浴場を出たところにあるので、湯上がりにビールやアイスで一服できるのは最高ですね。
ラウンジはそこまで広いわけではないですが、ゆったり過ごせるような雰囲気にはなっており、実際にかなりゆっくりくつろぐことができました。

昔ながらの家具や落ち着いたBGM、自然の風景が目に入り、過ごしやすい空間です

海石榴の歴史を紹介するような本なども置いてあります
大浴場
写真はないですが、屋内に広めの温泉と、温泉露天風呂(これも旅館にしては広め)がありました。また実際に行くまで認識していなかったのですが、実はサウナもあるのです!
温度も湿度もそこまで高くないので発汗までは時間がかかりますが、サウナ好きにとってはたまりません。ただ水風呂やととのい椅子はないので、しっかりサウナを満喫するという感じではありません。
お部屋の露天風呂も温泉になっているので露天風呂付き客室に宿泊の方は、お部屋の露天風呂だけでも満足するかなと思います。
誕生日サービス
今回は私の誕生日旅行ということで、海石榴から素敵なプレゼントをいただきました。

漆の箸をいただきました
こういう宿からの誕生日プレゼントってちょっとしたお菓子だったりで、正直いらないなみたいなものもぶっちゃけ多いと思うんですが笑、お箸は素敵なプレゼントで非常に感動しました!
また今回は一休のダイアモンド会員特典として、めちゃくちゃ立派なフルーツの盛り合わせまでいただいてしまいました。

大人2人では多すぎるくらいの量でした笑
接客
これは本当に素晴らしいです、過去最高クラスまであったかと思います。
子供がいる宿泊はどうしても部屋を汚してしまったり共有部分でうるさくしてしまったりと迷惑をかけてしまうのですが、全く嫌な顔ひとつせず対応してくださるのと同時に、どんなときでも子供を見かけると話しかけてくれたりして、すごいなんというか「ウェルカム」感を感じるのです。
正直ここのホスピタリティが一番海石榴の売りなのかなと思いました。やはり宿泊体験の一番重要なポイントは、食事や設備の豪華絢爛さというよりも、人と人とのふれあい(≒接客)だと思っていますので。
もちろん高級旅館ならではのピシっとした接客もあるので、ここのバランス感はさすがだなと思いました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
もしかしたら少し知名度が低い宿かもしれませんが、全てのクオリティが高くまったく文句のない素敵な老舗旅館だったかと思います。
1泊だいたい8万円(大人2名)以上は平日でもするのでなかなか気軽にいける値段感ではありませんが、ぜひ一度は訪れてみていただきたいなと思います。
詳細の値段などは以下から確認できますのでよければチェックしてみてください!